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-アニメの評価・アニメ感想・続 夏目友人帳の全話レビュー-

          

 


3B

続 夏目友人帳

 データ  原作=緑川ゆき(コミック) 全1クール?話  制作=ブレインズ・ベース
監督=大森貴弘
CAST 夏目貴志=神谷浩史 ニャンコ先生=井上和彦 夏目レイコ=小林沙苗 
第1話 2008年7月より放送された夏目友人帳の続きで分割2クール目。
(あやかし)が見える少年・夏目貴志が祖母・夏目レイコの遺品の友人帳に名を書かれた妖に名を返していくというお話。用心棒はニャンコ先生。
奪われた友人帳
3ヶ月ぶりの友人帳。第1話、おいしい内容になっています。今までのおさらい的要素をうまいことストーリーに溶け込ませ、ニャンコ先生と貴志の関係、世界観、この作品のおいしい汁を盛りだくさんにつめこんどります。
ニャンコ先生、黒ニャンコ先生、女子高生ニャンコ先生と見所満載。
色鮮やかの画、貴志の名前返し&リオウ(松風雅也)復活シーン、ラストの貴志の語りとかもいい感じ。やっぱりこの作品はいいと再確認。
第2話 「春に溶ける」
しばの原で森を守っていた対の妖・玄(吉野裕行)と翠(高垣彩陽)話。
貴志と友達の下校時の会話がゆるくてたまりません(鼻血)。2期は人気男声優を本格投入で女子向け度アップでしょうか。
今回は少しベタ気味なカップル話ではありましたが、雪ウサギをよりしろにした玄のファンシーさはたまらない人にはたまらない?後半はキッチリ感動させられるデキになっとります。
そして夏目は虹の変わりにしばの原に花の種を植えるやさしさ爆発。ラストに3色虹のサービスつき!ED曲もいい。
第3話 「妖退治 湯けむり行」
名取(石田彰)再び登場回。二人と一匹の温泉旅行。サービス回?
BL臭プンプン。夏目を温泉に誘って何するの?名取さん!二人で温泉。名取の痣を見まくる夏目&テレ。
本編は夏目のの話。名取は妖退治に同行させたと言いつつも夏目と語らうことも旅の本題であって、本当のことを言えない夏目の支えになりたいことも本当(エロくなく)。夏目にも周りの人に本当のことが言える日が?ラストはうまいことまとめる。少しクオリティさがった。
スミエ(本田貴子)、三ツ目(斧アツシ)。
第4話 雛、孵る
タマちゃん(あおきさやか)回。一期の子狐に続き、名作だ!
鳥の巣にて1つ孵らなかった卵を持ち帰る夏目。で、暖めさせるのにうってつけの人がいた。ニャンコ先生!wそして、カウントダウンと共に孵るまでの日々が続く。この日々の空気感がたまらないくいい感じ。
生まれたものは辰未(たつみ)という妖の雛だった。なにこれ?反則的なかわいさ。着物を作る夏目。まるで着せ替え人形。
だが、辰未は成長すると本来の姿に戻り旅立つとのこと。タマちゃんも夏目との別れを拒み食べ物をとらなくなる。しかし別れは訪れ、本来の姿となり飛び去るタマ。部屋にはタマちゃんの作った巣だけが残される。
夏目とタマ、本当の親を知らない二人。タマに夏目は「一人を知り、愛されたいともがいていた君の悲しみをほんの少しでも晴らしてやれたかな?」と自分に重ねたような言葉を言う。なにか大切なものを残していったタマちゃん。名作だ!
第5話 約束の樹
名作2連発!例によって貴志をレイコと間違えてこそこそ近づいてくる妖・霧葉(きりのは)回。引っ込み思案ドジっ子美少年。50年後にレイコに名前を返してもらうと約束し律儀に待っていた少年。名の書かれた友人帳の切れ端は木の枝にくくられているとのことで貴志は探してやることに。
今回は霧葉のキャラのかわいさも魅力的だが、作品の中の流れる時間、空気、登場人物たちのやさしい関係が非常に心地よく、ストーリーも完結の仕方がとても美しいデキになっているように思える。そして何より、レイコさんがかっこよすぎです。そりゃ、ヒノエはほれるw
ヒノエとの回想もそうだが、霧葉の話からレイコがどのように霧葉に接していたかが手に取るように想像でき、ほとんど登場していないレイコの魅力的な人柄がそこらじゅうにちりばめられている内容になっている。
第6話 「少女の陣」
5組に美少女がいると友人A、Bが夏目に見に行こうと誘う。委員長少しやきもき。ちょっと友人は色気づきすぎ?その少女は周りの人とは喋らないかわった子だった。夏目を見るとハッとして逃げ出す。次に夏目が少女を見たのは空き地で謎の陣を書いていた。近づくと「夏目君…」と名前は知っている模様。そして何か決心したような表情で必ず勝つと宣言して去っていく。
と、謎だらけの展開が続く前半。彼女の名前は多軌透(たき とおる・佐藤利奈)。いい名前。彼女の描く陣の上でのみ妖怪の姿が見える少女。ある日、たまたま見た妖怪に祟られてしまい一人けなげに戦っていたのだった。360日以内にその妖怪を捕まえなければ命がとられてしまう。さらに透が名を呼んだ者の命ももっていかれるらしく、夏目も巻き込まれることに。

透はおしゃべり好きで、かわいいもの(先生?)好きな普通(現実では稀有かも)の女子高生で陣により妖の不条理な呪いに巻き込まれ、けなげに戦っていた愛すべきキャラ。夏目はそんな彼女を当然放ってはおかず、今までをねぎらうように頭をなでて「勝つぞ!」っと。いいシーンすぎ。夏目にとっては透は普通の人間でありながら自分の秘密を知るはじめての存在でこの関係が夏目の周りの人との接し方を変えていくのだろうか。
そんなわけでこのエピソードははじめての話数をまたぐことに。妖にさらわれた夏目。続く。
あと、ちょびひげ(チョーさん)、大物らしい。
第7話 「呼んではならぬ」
後編。妖につかまった夏目は辛くも逃げ出すがのろいを受けてしまい一時的に妖怪の姿が見えなくなってしまう。役立たずになった夏目、透と一緒にへこむ。帰宅し本来の姿になって試す先生。見えない夏目。すごい画だ。
次の日、先生も巻き込まれていることに気づき3人で退治に。バトルは迫力あり。透のピンチに夏目は見えない先生に乗って飛ぶ!そして陣に現れ噛み付く先生!夏目が封印。

だが一番の見どころは、夏目が人間で見えることをを知ってる友人・透とそれを見守る先生の目。透はめちゃいい友人。夏目をしっかりみて、友人帳を宝物と言い。これからは何でも手伝うと。それに先生との相性もいい。そんな夏目とのやり取りを暖かく見守るニャンコ先生&見えなくなった夏目を見守る斑もさいこー。
見えなくなったときの寂しさも伝わったし、人より雑音の多い日々に戻るほっこり感。(そんな雑音に耳を済ませてるのは夏目の方?)最後はすばらしく締めくくられた。
ちょびひげは見える見えないや妖代表みたいにうまいこと使われてた。
第8話 「不死の想い」
梅の季節、貴志はいつもの3人で宿題合宿で民宿へ。人魚話。お菓子大量に用意する塔子さん、めちゃかわいい。それを全部持っていこうとする貴志がまたいい。
そして合宿。またこの三人の合宿がゆるくて癒される。
今回の妖は人魚(広橋涼)。人間にその不老不死になるとされる血肉ばかり狙われ、人間不信になっている天然ツンデレ妖。だが彼女は本来、友達を求める孤独な妖だった。民宿のチズとも仲良くなろうとしたり、レイコとも勝負してたりする(笑)
夏目はそんな人魚の気持ちをくみ取り手助けしようとするも、逆に食われそうになったりするも無事名前を返し、チズとの誤解も解ける美しい物語だ。チズさんがほんとに心の美しくていい人。
はずさないなー、今回も。作画もかなりいい。フナの瞬きに驚く漫画描写w ラストの場面、また友人が増えた夏目。美しいシーンだ。
第9話 「桜並木の彼」
貴志はグラタン皿を買いにフリーマーケットに来る。そこで、ふと一枚の絵に惹かれる貴志。その絵は冬の枯れた桜並木の絵で枝ばかり。それを譲り受け自室に飾る貴志。
その絵は名のある妖の絵描きが書いたもので八坂(野島健児)という人間の男が小さく書き込まれていた。その八坂と妖であることを隠し桜並木でさくらの季節にのみ友人となった巳弥(杉本ゆう←銀魂のキャサリンのイメージしかなかった)がその絵を追って貴志の部屋へ。

またしても美しい妖と人間とのラブストーリー。ラストのさくらのシーンはBGMもあいまって日本人ならグッと来るシーンになっているんじゃないでしょうか。それと同時に今回は大切な人に本当のことを伝えるのを怖がって悲しんでいる巳弥と夏目の互いを思うやさしさ、そんな夏目を少し悲しげな目で見つめつついつもやさしい塔子さん。巳弥は言えたの?夏目は言う日がくるのか?そんなことを語る神谷さんがすごい演技だ。
第10話 仮家
今回は作画アニメな夏目友人帳。動く夏目で作画が耽美。内容もレイコとついに貴志と絡みをみせた塔子さんの夫・滋(しげる)の昔話のジンとくる話。名作。
学校の帰りに滋と一緒になった貴志は昔滋がレイコさんらしき人と知り合いだったことを聞く。次の日どうしても気になった貴志はレイコのことを聞くためいつも距離を置いていた滋に踏み込んでみる。滋は踏み込んでくれたことを喜び昔の話をしてくれる。
少年時代の滋は加藤奈々絵。大胆なキャスティング。めっちゃ嵌ってる。レイコに気に入られるべきないい少年だ。レイコと滋は仲良く時を過ごすが、藤原家は家を乗っ取る妖・カリメに目をつけられる。家の人が居ないときそれを退治してやるレイコ。しかし、その後縁遠くなってしまう二人。

そして、その妖がレイコに復讐するために戻ってきた。貴志はなんとしてもこの家を守るべくレイコと同じ方法で退けることに成功する。だが部屋はボロボロ。駆けつけた滋に状況を説明できない貴志はレイコの気持ちを知る。だが、滋はあのときと同じ光景を前に弁償するという貴志をその必要はない、ここは君の家だと言って受け入れる。夏目はこの大切な人たちにそんな喜びを返せるだろうかと…。
ええ話だ。滋さんもこんないい人だったなんて。人間と比べると悠久のときを歩むニャンコ先生にはまだこのレイコと貴志の細かい気持ちがまだ理解できない。そこに惹かれるようにじっと貴志らをみる先生の姿がいい!
第11話 「呪術師の会」
夏目は妖祓いを稼業とする名取に呪術師の会合に参加しないかと誘われる。そこに行けば力を使った自分のやるべきことが見つかるのではと夏目は参加することにする。
パーティーでは人と妖が見分けもつかずごった返していた。そこで、的場という力のある祓い人の秘書をしているという七瀬(土井美加)と出会う。七瀬は夏目に一人で戦ってきたことをねぎらいレイコのことを聞く。夏目はレイコのことを話せる人にはじめて出会い、もしかして自分にも信じていい人が現れたのではと思う。ここで話に出た的場という祓い人はニャンコ先生から逃げた?

自分の道を見つけようと積極的に夏目は祓いを手伝おうとする。そこで、夏目はここにいる人たちの中でも突出した力を見せる。だが、名取は自分を卑下し役に立てることをさがすのにあせっている夏目に自分を知らなければ強くなれないと教える。そして、七瀬が妖をただのよこしまな存在だと思っていることを知り、見えるひとたちとは友人帳のことを絶対に教えてはいけない人種なのではないか?と知ることになる。
気持ちをわかち会うとは見える見えないは関係ないのでは?それともひとりで抱える強さが必要?夏目は自分は人から逃げていたのかもと気づき、自分やレイコさんのことを知りたいと思う。守りたい人たちがいるのだから…。
ついに、夏目の世界観が変わる回。そして、妖に狙われるカイとすれ違う。次回へ。
第12話 「廃屋の少年」
委員長の策略で廃屋に連れてこられた夏目。この廃屋は夜毎謎の音や人の声が聞こえるらしく、夏目の力を勘ぐる委員長があわよくば夏目ともお近づきになろうと?二人で調査をはじめようとする。上機嫌な委員長。しかし、多軌透登場。委員長を連れて行く透。やっぱり委員長はお邪魔虫キャラ。いい子なのにw
先生はここに何かいると夏目に長居しないことを忠告。しかし、夏目は聞かず音のするほうへ行くと棺に少年が閉じ込められていた。逃げ出す少年。それを見ている帽子の男あり。
その少年の名はカイ(竹内順子・ナルト)。夏目は少年もまた自分と同じように妖怪が見えることで苦労している人間なのではと思って、彼を探す。だが、彼の友達にオンナオトコと罵られ退散する夏目。ニャンコ先生はことあるごとに透に抱きしめられる始末。趣味悪いw

夏目は田沼と透に彼を守ってやりたいと思うのは高慢なのかもしれないと打ち明ける。しかし、カイが周りの人を遠ざけようとする姿を見て、夏目は彼に関わることを我慢できなかった。そして、お子様を泣かしてしまう夏目。夏目にやさしくされて辛かった感情をあらわにするカイ。それから二人は急接近、ついでに透も一緒にお花畑w
その後、お互い見える人ではと勘ぐりあっていたことが判明。貴志は見えるもの同士守りたいとあらためて思う。しかし、帽子の男・名取は棺に封印したのは私だと告白する。あの子には近づかないほうがいい、あの子は妖怪だと・・・。マジで!?次回ラスト。
第13話
END
人と妖
カイは非常に強い力を持つ妖怪で洋館近くの古井戸に封印された鬼が封印を解いてもらうため呼び寄せられた妖怪だと言う名取。名取は夏目に君にとって大事なのは人か妖なのかそろそろ決めるべきだと忠告する。関係ない話だが名取のCMがやけに笑える。名取が誰に依頼を受けたか、あの痣、名取の気持ちは今作では明かされず…。

自分ですべてかぶるべく田沼に手伝わせずカイを探す夏目。カイが山の水神だったことが判明。供物も供えられなくなった泣き虫な山の神様が寂しさに耐えられず井戸の鬼に誘われ山から降りてきてたのだった。カイにとっては鬼など小物で封印を解いた後、自分を食おうとした鬼をあっさり退治。カイを助けようとして気絶した夏目の友人帳の花をみて、カイは夏目が好きなことを再確認。また、泣いちゃう。山に帰ることに。レイコのことを知ってたカイ。
夏目は透にカイの正体を教えて、会いに行かなくちゃと言う。
そして、委員長も交えてみんなで花見。夏目はみんなと少しはずれて先生と会話。先生は夏目の選ぶ選択が飽きないと、友人帳の持ち主として相応しいとほめる?貴志はそばにいてくれてありがとうと最終回な会話。貴志は人か妖ではなく自分にとって大切なのかどうか迷うことなく受け止めていきたいと答えを一つ出す。風鈴の音。音を気にして短冊をはずした風鈴に再びつけられた短冊。大丈夫よ!と塔子さん。
そして、レイコ登場。えっ?おい、最後!またいつかっ!?まだ余裕で続編できるぞ。
総評 前作が妖の見える夏目貴志とニャンコ先生との異形の世界との心温まるストーリーだとすれば、今作は夏目とその世界の住人との係わり合い方に少し踏み込んだ内容となっていてさらに深い夏目ワールドを堪能できる内容になっている。
クオリティコントロールはそんなのはまったく気にならないほど安定していて物語をなにも気にせず楽しむことが出来るデキである。少し第10話が動いて異色な回だった。シリーズ構成もいい感じでまったくだれる回がなく、この分割2クールは大成功ではないのだろうか。
続 夏目友人帳-アニメの感想-

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