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「輪るピングドラム」 第18話 「だから私のためにいてほしい」

「輪るピングドラム」第18話。
ピンドラ第18話は、高倉兄妹に試練が与えられる大重要エピソード。
演出コンテを山内重保が担当の原画に馬越嘉彦さんらが担当する作画・内容共にまごうことなき神回の今回です。
「ハートキャッチプリキュア」や「キャシャーン Sins」臭のする作画や演出で描かれるものすごいアニメに興奮します。
お話の方も、運命を受け入れられなかった多蕗の罰に対して、桃果と同じ行動をとって答えを見せつける冠葉がめちゃカッコイイことになっていて、運命話の試練を一つ乗り越える熱い感動エピソードになっていたかと思われます。

今回は、多蕗先生の過去が明かされる回想シーンからスタート。
他の登場キャラ同様、やはり多蕗にも難有りの家族を抱えて生きてきた過去があったわけで…
音楽の才能しか愛せない母を繋ぎとめるために自らのピアノ生命を絶ったという過去をお持ちの多蕗先生でした。
これで気になっていた指の傷の謎が解けました。

以前、苹果(りんご)には桃果の仇の息子たちに恨みはないと言っていた多蕗でしたが運命を受け入れられずに、桃果の言っていたことを確かめるために罰を与える側にまわってしまったという今回です。
ある意味、眞悧の代行者的な役割をする多蕗先生です。

回想シーンでは、いらない子を透明な存在にするという「こどもブロイラー」に送られた多蕗を荻野目桃果が連れ戻します。
多蕗の心を受け入れて「私のために生きて」といってくれた桃果が多蕗にとってかけがえのない人物であったことがここで明かされます。その桃果はまるで「希望」そのものの存在のようで…誰ものそばにいる概念的な「魔法少女まどか」的なキャラというものが大分見えてきている本作です。それがもしやピングドラ…
陽毬が運命の人と一緒にいた回想シーンもここ「こどもブロイラー」だったと思われ、地下鉄事件や透明な存在の事件など暗い時事ネタ交えて、本作が未来を描く物語であることも大分見えてきた今回かと思われます。熱いです。

それにしても山内重保演出のプリキュア作画が美しすぎる今回です。

そして、冠葉が現場に到着。
ここで、冠葉が父の組織の残党と取引をして大金をゲットしていたことが明かされます。
その組織から冠葉を救いだそうとしている夏芽真砂子との物語など、まだまだ気になることがてんこ盛りの本作です。

眞悧さんも冠葉の取引写真を拝見中。
この悪さにも罰が用意されているのでしょうか。

一方、晶馬は現場にダッシュ中。
今回は、晶馬の活躍はなく冠葉と1号の一人舞台となっておりました。でも晶馬の走る描写も気合いが入りまくりの今回です。

そして、両親の代わりに罰を受ける陽毬を冠葉が助けようと決死のワイヤー掴み!
そこでついに1号が本気を出します。
1号キターーー!w

身を挺して陽毬の落下を防ぐ冠葉と1号が手の汗握る熱いシーンとなっています。
その傷や痛みをかえりみない冠葉の姿に桃果を見た多蕗が、ようやく目が冷めて生きる希望を失った自分を認めます。

助けられようとしている陽毬の方も、冠葉のために自らを犠牲にすることを選びます。
「やめろー!俺はおまえのために生きたいんだ」と冠葉です。
多蕗の母とは違って責任だけではない家族の関係をみせつけた二人です。試練合格!

というわけで、陽毬は多蕗が保護。
桃果を失って希望を失った多蕗が起こした暴走に答えを見せた高倉兄妹の熱くて切ないお話の今回です。
EDでも描かれている運命の赤い糸描写もメタ的で考えさせられる描写になっています。

今回頑張った1号には、エロ本と手厚い看護が用意されておりましたw

一方、苹果とすれ違う時に「僕のようになっちゃダメだ」と言って退場する多蕗です。
すれ違い描写がめちゃカッケーです。
そして、桃果を奪われた憎しみを乗り超える物語は、苹果に継がれました。

ゆりを利用していた多蕗の本心を知らなかった仮面夫婦はここで終了?
「さようなら」と切ない退場シーンとなった多蕗でした。

「嫌だわ、早くすり潰さないと」と、夏芽真砂子の冠葉を高倉家の呪いから救い出す物語も動き出しそうです。

最後に、両親に振り回されて傷つき寄り添う3人の家族に荻野目苹果が寄り添います。
「嫌いにならない。それが運命なら受け入れて強くなる。だから私のためにいてほしい」と苹果さん。
苹果さんが最高です(涙)
そんな運命の試練と戦う高倉3兄妹と苹果さんの運命話が面白すぎる今回だったかと思われます。神回です。

©イクニチャウダー/ピングループ

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