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「輪るピングドラム」 第20話 「選んでくれてありがとう」

「輪るピングドラム」第20話。
第20話は、前回のラストシーンに繋がる陽毬や晶馬達の過去が明かされる回想エピソード。
ついに運命の人が明かされた陽毬のその運命の人との出会いと現在の彼女の想いが描かれる感涙のお話となっている今回です。
ここに来て神回連発で非常に面白すぎることになっている本作です。
両親の組織の企鵝(きが)の会に加担する冠葉、陽毬に罰を与える原因を作った両親を許せない晶馬と、家族のすれ違いの構図も明らかになってきて、残り4話のクライマックスに突入していく感じの本作です。

始まりは、16年前の事件を起こす前の父の組織ピングフォースのアジトのシーンから。
そこで、きっと何者にもなれない人達が支配するこの氷の世界を美しい世界に変えると演説する高倉家の父が登場。
やはりカルト集団のリーダー的なことをしていた父ですが、今回はそんな高倉家の人達の16年前の姿が明かされるお話です。

ここで、運命の人が晶馬であることを陽毬が思い出した前回ラストシーンの続きが再開。
冠葉を悪い道に走らせる晶馬達を家族とは絶対に認めないという夏芽真砂子が去って行きます。
確かに、冠葉は陽毬を密かに想い、陽毬も晶馬を運命の人と想っていて家族関係が危うい3人です。

そして、第1話と同じような家族団らんの朝食シーンが描かれるのですが、あの時とは与えられた情報量が違うわけで、嘘の家族ごっこをしているようにも見えてしまうのが不思議で切ないシーンになっています。
父母への想いもそれぞれ違いすぎて、話題はNGです。

陽毬と眞悧先生の問診シーンでは、家族ごっこが終わってしまって居場所を失うのが怖い臆病な現在の陽毬の心情のようなものが、ややこしめな会話で表されておりました。果たして、陽毬は晶馬と恋愛出来るのか否か…

その陽毬を家族として?大切に想う晶馬は、陽毬に罰を与える両親への怒りを隠せません。
そんな晶馬に対して苹果さんがどのような行動を見せてくれるのかも今後の見どころかと思われます。

そして、事件後に企鵝(きが)の会と名前を変えた高倉父の組織の回想シーンが登場。
企鵝の会になってペンギンのマークが変わっています。そういうマークの意味だったのかw
そこに夏芽真砂子とマリオさんが登場。どうやら夏芽真砂子の父もこの組織の人間だったようで、冠葉との馴れ初めも判明です。

ここでついに晶馬と陽毬の出会いのシーンが登場。
陽毬は母に見捨てられた可哀想なお子様だったわけで…やはり本当の家族でなかったことがここで確定です。

そこから描かれる二人のラブストーリーが美しいものになっていて最高の今回です。

捨てられた猫の世話をする中で繋がっていく二人です。
こんな素敵な馴れ初めの過去があったなんて…この二人の中に冠葉が入っていくのは無理っぽいです。
子猫に付けた名前が太陽からサンちゃんというのが、ペンギン3号のサンちゃんと重なっていてなんか泣けてきます。

そんな自分に重ねていたサンちゃんが不幸なことになってしまって、こどもブロイラーへ自ら行ってしまった陽毬です。
陽毬の膝の絆創膏と、かかとが赤くなっているのが不遇な少女を演出していてこれまた泣けてきます。

そして、陽毬を助けだすために走る晶馬です。これで助けだす前回の物語に繋がります。
ちょっと、そんな今回のお話が熱すぎます。この二人が運命の人すぎて応援せざる負えなくなります。

こどもブロイラーにたどり着いた晶馬が陽毬を発見。
何者にもなれない自分でしたが、マフラーを想い出に透明な存在になろうとする陽毬が切なすぎます。

そして、「罰でもいいから晶ちゃんと一緒に居たかった」という陽毬の前に晶馬が!
「運命の果実を一緒に食べよう」、「選んでくれてありがとう」。
というわけで、アダムとイヴなお二人でした。
この二人だけではなく人間は皆、罪を背負ったきっと何者にもなれない運命の輪で繋がった人達の集まりなのでしょうか。

そんな話を聞かされた苹果さんは何を想うのでしょう。
それでも苹果さんは運命を受け入れるのでしょうか。

冠葉は陽毬の薬のために、来るべき聖なる日に世界を浄化するという父親の組織に加担して…
クリスマスの東京が決戦会場?ちなみに最終話は12月22日でバッチリの展開です。

そんな中、陽毬は禁断の果実をを入れたカレーをサンちゃんと作りながら二人の帰りを待っているのでした。
晶馬が選んでくれたからこの素晴らしい日常があるわけで…そんな陽毬を中心とする運命の輪の物語の結末が残り4話でどのように描かれるのかが気になって仕方がありません。いやー、面白すぎます。

©イクニチャウダー/ピングループ

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