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「輪るピングドラム」 第9話 「氷の世界」

「輪るピングドラム」第9話。
ピンドラ第9話は、第1話を彷彿とさせる謎だらけだけどめちゃ面白い弾けた演出が最高のピンドラが戻って参りました。
お話の内容もちょっと長かった荻野目苹果の運命話を離れて、第1話の陽毬が死から復活を果たすその舞台裏が描かれるものとなっていて、謎のピンク髪のイケメンキャラを通して語られる陽毬の過去・現在・未来の運命の物語が興味深いものとなっていました。
そして何より今回は、ウテナや化物語で有名なアニメーター武内宣之による絵コンテ・演出・作画監督・一人原画回となっており、安心のシャフト演出と素晴らしい作画で脚本関係なくアニメだけ観てもめちゃ面白い今回です。

前回のラストに晶馬が車に轢かれて一体どうなるのかと思われた今回でしたが、お話はその続きではなく第1話の陽毬が水族館で死亡する時の陽毬目線の内容でした。
死亡前のこの時、陽毬はペンギン3号を見つけており、もしやペンギンが死を司る死神的な存在で陽毬にお迎えが来てしまったということなのでしょうか。

ペンギン帽を被った謎の少年が立っていたり、第1話でもあった1号、2号、3号に付けられているシーンなど陽毬の死を匂わせるような意味深なシーンが面白い演出で描かれておりました。

そして、3号を追いかけて乗ったエレベーターが隠し地下61階へと向かいます。
その地下61階にあらわれたのが馴染みの図書館だったわけで、これが死んだ人が行く場所ということなのでしょうか。
メタ的な表現が満載の今回です。

そこで陽毬が探すのは、「カエル君東京を救う」という本。
ここでの本はどうやら生前の記憶をあらわすもののようで、陽毬の東京を救う本はここになかったみたいです。
普通の人はここでなんらかの記憶を見つけてこの世とお別れする的なことなのでしょうか。推測ばかりですみません。

そんなお目当ての本を見つけられなかった陽毬が3号に連れられてきたのがカエル君の本が無数にある中央図書館のそらの孔(あな)の分室でした。幻想的な「化物語」なんかにも出てきそうな面白い場所です。

そこに図書館の司書・渡瀬眞悧(さねとし)が登場。ピンク髪のウテナ系の超イケメンです。
そして、陽毬と共に安心のシャフ度演出ですw

そのイケメン司書は、この分室は運命に選ばれた者しか来ることはできないと、陽毬が運命に選ばれた人であることを明かします。
陽毬が運命に選ばれた理由でありそうな「東京を救う」記憶の謎がキーとなりそうです。
そんな中、陽毬の過去の別の記憶が走馬灯のように次々と明かされます。

まず登場した陽毬の過去の記憶は、二人の女の子とアイドルを目指す小学生時代のものでした。
ここでついに陽毬が電車の広告などでよく登場するアイドル・ダブルHとお友達だったことが判明。そういうことかw
ちなみに、ダブルHのお二人の名が歌田光莉と伊空ヒバリと判明。大それた歌姫なお名前のお二人です。
その後は、陽毬とトリプルHというEDに出てくるあのアイドル3人ユニットになる運命への道が閉ざされていく記憶となっていました。

井上喜久子ママを傷つけてしまう陽毬の過去や、それでも友達を続けてくれるダブルHのお二人の過去が登場。
でも、これも陽毬が探す記憶ではなく…

そして、記憶のさらに深いところを探す司書ですが、過去のお話は急に飛んでダブルHのお二人との悲しい結末のシーンが描かれます。なぜ陽毬が学校を去ることになったのかの理由が気になるところです。それが「カエル君東京を救う」?

ブレイクしたダブルHの二人をテレビで観る陽毬。
生存戦略の時の挿入歌を歌う「トリプルH」は幻なのか。これが彼女の運命の結末なのか。
なにものにもなれない陽毬?

そんなとき、3号が何かを発見。

物語は終わったわけじゃないと司書がペンギン帽を取り出します。
これが運命の花嫁に捧げる花冠だと陽毬に被せて…
誰の花嫁になるかの答えは運命の至る場所にあるという司書です。その場所を陽毬が知っているとも…
超かっこいいシーンなんですけど、何を言わんとするのかがまだはっきりとはここではわかりません。

ペンギン3匹セットとともに陽毬を元の世界に戻すイケメンさん。りんごもお忘れにならずと。
りんごは宇宙そのもので、こっちの世界とあっちの世界を繋ぐもので、愛による死を受け入れたものへのご褒美がりんごで、さらにその死がむしろはじまりであると第1話で少年が言っていたことを思い出します。
陽毬は運命に選ばれる愛すべきことをして、再び運命の人と結ばれるチャンスを与えられたと?

そして、その運命の人らしき少年が登場。
それは冠葉なのか晶馬なのか、はたまた…
陽毬の運命の人の物語が気になります。

「生存戦略ーー!」と叫んで現世に戻ってきた陽毬。
これが第1話で起こっていたことの全貌です。なんかすごいことになっていた陽毬でしたw

そして、この過去回想話が陽毬の観ていた夢(現実ですが)というオチで、図書館に行っていたことは全く覚えていない陽毬でした。
そこに晶馬が車にはねられたという一報が入って、前回の続きの展開となって次回に続きます。
陽毬のベッドには、3号が持ってきた「カエル君東京を救う」の本があったり、晶馬が愛による死を受け入れることによってなにが起こるのかなど、この先がかなり気になる展開となってきた本作です。
というわけで、第1話を彷彿とさせる弾けた脚本・演出・作画でめちゃ面白かった今回。今後も分かりやすいお話やギャグに走り過ぎずに、こういう尖った面白いエピソードをガンガン投入してほしいところです。

©イクニチャウダー/ピングループ

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