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「琴浦さん」 第1話 「琴浦さんと真鍋くん」

「琴浦さん」第1話。
えのきづによるウェブコミックサイト連載4コマ漫画のTVアニメ化作品「琴浦さん」。
「みなみけ」1期、「みつどもえ」、「ゆるゆり」シリーズの太田雅彦監督&あおしまたかし脚本コンビが手掛ける本作です。
そんな本作第1話が、原作をいい意味で改変した琴浦さんと真鍋くんの運命の出会い導入エピソードとなっていたわけで、ちょっとした一本の映画のような二人の感動ストーリーで、琴浦さんの人の心を読める特殊能力の紹介と物語に引きこむことに大成功している第1話となっています。
「みなみけ」1期、「ゆるゆり」シリーズでその手腕を披露した流石の太田雅彦作品です。でもキャラデザは「みつどもえ」仕様の本作w
そんなわけで、原作力が少し落ちるフライングドッグの中京最速アニメの本作がどのような展開をみせるのか注目の本作です。

お話は、琴浦さんが他人の心を読める能力のために迫害されているというまさかのシリアスシーンからスタート。
さらに、この後のAパート丸々を琴浦さんの悲劇の半生を描くという、ラブコメ&ギャグ作品の原作を改変するちょっと危険な賭けに出る本作です。

そして、裕福で幸せな家庭に生まれた琴浦さんの転落人生が始まります。
生まれてから両親の愛をいっぱいに受けて育っていく琴浦さんですが、他人の心を読める能力が徐々に明らかに・・・

その能力が他人を傷つけることになり、徐々に友人を失っていく琴浦さん。なんだこの重い展開w
ちなみに、ここでのキャラデザがめちゃ「みつどもえ」になっていますw

そして、その虚言癖を心配した母親に病院をたらい回しにされる琴浦さん。
母親の方も、琴浦さんに悩まされてどんどん壊れていきます。
そんな壊れていく母親を演じる井上喜久子さんがナイスなキャスティングとなっていますw

ついに、浮気も琴浦さんにバラされてしまった母親が琴浦さんを捨てて出て行きます。
「あんたなんか産むんじゃなかった」と絶対に言ってはいけないことを言って去っていくお母さんです。
母に捨てられてしまった琴浦さんの幼少期が壮絶すぎるんですけどw

学校でも、親友たちに見捨てられてしまう琴浦さん。

そして、心が読めない唯一の友達だったネコさんも保健所に連れて行かれてしまい、ついに精神崩壊を起こしてしまった琴浦さん。
これからはじまるラブコメギャグアニメの主人公がこんな重すぎることになっていいのかw

てなわけで、周りの人達と完全に距離を取って心を閉ざしてしまった最初のシーンの琴浦さんが完成。壮絶すぎます。

ここでついに、そんな琴浦さんの閉じた世界をぶち壊すもう一人の主人公の真鍋くんが登場します。
頭の中が超カラッポのおバカな真鍋くん。見事な頭の中のカラッポ描写ですw

そんな心のオモテウラのまったくない運命の人の真鍋くんと出会って、ついに琴浦さんの世界に色が戻ります!
そんなわけで、琴浦さんの心が読める能力の説明と、その運命の人との出会いが壮絶かつ見事に描かれたAパートでした。
こんなおバカな人との出会いシーンがこんなに美しく描かれるなんて。涙が溢れますw

というわけで、そんな琴浦さんと真鍋くんの作品であるという方向性が見えたところでOPが登場。上手いです。

OPテーマは、フライングドッグの中島愛さんが担当。
「コシコシ」したくなる琴浦さんのエロスシーンも登場するのですが、その「コシコシ」をなんか流行らせようとしている感もある本作ですw

今後登場のESP研の人達も登場のAパートとは違う、本当はこういう作品ですというのをアピールするOPになっています。

そして、Bパートは、これまたエエお話の琴浦さんと真鍋くんがお友達になる導入展開パート2が描かれます。

ここでおバカな真鍋くんに片想いの森谷ヒヨリさんが登場。
森谷ヒヨリさんに好かれていることにもまったく気付いていなおバカな真鍋くんが罪な男ですw おバカ系モテ男?

そんな真鍋くんが、クラスで孤立する琴浦さんに無意識で興味が湧いて彼女の心をほぐしにかかります。

それでも頑なに拒絶する琴浦さんには、妄想エロス攻撃でコシコシして琴浦さんを逃しません。

さらに、事情を知ったシリアスシーンでは「俺がおまえと一緒にる!何が何でも離れてなんかやんねえ」と琴浦さんを包み込むナイスな野郎の真鍋くんでした。おバカだけど真鍋くんがかっこよすぎます。そんな真鍋くんの言葉に琴浦さんも号泣。

しかし、そんなときでもエロスを忘れない真鍋くん。あらええお話。

というわけで、がっちり握手を交わしてお友達になった琴浦さんと真鍋くんのええシーンで第1話が終了。
琴浦さんの特殊能力の説明と壮絶な過去から運命の人と出会っって希望を見つけるという、分かりやすくて作品世界に引き込まれる素晴らしい導入エピソードだったかと思われます。初見の視聴者の心を掴む作りにすることの大切さを感じさせてくれる第1話でした。これぞアニメのチカラ。

EDは希望が描かれる感動EDとなっています。
というわけで、マイナー原作を逆手に取って?面白いことを仕掛けてきた「琴浦さん」。
今後、原作通りの学園4コマ作品になるのかどうかなど、「ゆるゆり」2作品を飽きさせずに描ききった太田雅彦チームの今後の新たな仕掛けなどの手腕に期待したい本作です。

(C)えのきづ/マイクロマガジン社・「翠ヶ丘高校ESP研・後援会」

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