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「惡の華」 第1話 「運命の出会い」

「惡の華」第1話。
『別冊少年マガジン』連載の押見修造による同名漫画のアニメ化作品の本作。
監督を「蟲師」の長濱博史が担当する、ロトスコープという実写映像をアニメに描き起こしていくという手法でアニメ化する意欲作の本作となっています。
その気になるビジュアルがアニメ放映まで非公開だった本作ですが、出てきたものがまさに人物も背景も実写そのものをアニメ化したというものだったわけで、今までのTVアニメでは考えられない、ぬるぬる動くってレベルじゃなく実写そのものにキャラが動く面白すぎるフィルムになっていましたw
漫画の絵が動くことを期待していた人には、キャラが薄めの俳優を使っただけの実写化というザンネンな感じになっている本作ですが、果たしてあえてその手法を取って「惡の華」という作品を作ろうとした長濱博史の描こうとしているものはどういうものなのか・・・
と、そんな映像作品好きにはたまらない萌え要素なんてクソ食らえのキングオブ質アニメな本作が非常に面白いことになっています。

お話は、アニメじゃなビジュアルに度肝を抜かれる本作主人公の春日高男の登校シーンからスタート。
アニメじゃ考えられない無駄な挙動が満載の情報量が多すぎる動きをする主人公ですが、どんな人なのかの情報の取り方が実写そのものという感じになってしまいます。そう思わせることにアニメである意味があるのか否かw いろいろ考えさせられる本作です。
背景も実写から取り込んだもので小さいキャプ画像で見ると実写そのものです。
そんな本作の主人公の中の人(声も実写も)は植田慎一郎。第24回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストのファイナリストで、声優は初挑戦とのこと。

第1話は、そんな主人公の春日高男の日常がリアルに切り取られる、ラストの惡の華が咲かけるまで特に何も起こらない日常アニメになっているわけで、映像作品に興味のない人にはこれまた見どころが見つけにくいレベルの高い退屈なフィルムになっています。流石の質アニメです。

学校の下駄箱シーンでも、リアルにふとましいリアルな女子高生が登場しているわけで、常にブヒ要素を探しているアニオタの腰を折る本当にケンカを売っている酷いアニメになっていますw

OPでは、声のキャストの人達がクレジットされて、EDで実写キャストがクレジットされるという形になっている本作です。
ヒロインの仲村さんと佐伯さんは声優の伊瀬茉莉也と日笠陽子が担当しているのですが、この二人の演技もこれまたリアルな声の演技となっています。
これゾンみたいにアニメ声で日笠陽子がクソムシとは叫びませんw ちなみに、クソムシと言うのは伊瀬茉莉也の方です。

春日高男のクラスのシーンでは、山田がリアルにウザすぎるキャラなわけでw
お笑いコンビのやさしい雨の片割れの人らしいのですが、ええ演技をしています。
この実際の人のリアル情報までには辿り着けない程度にキャラがデフォルメされるロトスコープという手法は実はめちゃいいかも。
実写は演じている人の情報が見えすぎて萎えることが多いのでこれはいけるかもしれません。すごい労力が必要でしょうが。

授業中には、春日高男が密かに想う佐伯さんをチラ見するシーンも登場。
その気になるヒロインの佐伯さんですが、これまたリアリティがあるレベルの可愛さの人となっています。

体育の授業では、リアルにふとましい女の子とフツーに楽しそうにバレーボールをしている佐伯さんです。
あら、目があっちゃいましたw 春日高男のリアクションも素ですw

男子トイレでは髪を気にする山田がウザすぎることにw
やさしい雨のリアルの人がどんな奴なのかめちゃ見たくなっちゃいます。やさしい雨はマジでこんなうざいやつなのかw
授業に急いで戻っていく山田達もリアルすぎるんですけど。このフィルムが面白すぎますw

帰り道もとりとめのない男子中学生の会話を繰り広げる山田達です。

自宅のテレビの中の芸人もロトスコープでぬるぬる動きまくっていますw
家族の食事風景も普通すぎて観ていて笑いが込みあげてきます。春日高男はフツーに笑ってますw
オヤジもフツーの本好きの人で、お母さんもお母さんです。

そんな中、自室で「惡の華」の本を読みながら佐伯さんでムラムラしていまう春日高男です。
ついに惡の華が蠢き出します。惡の華って一体何なの。

次の日の朝のヤカンの火もめちゃリアルです。お尻をポリポリかきながら登場の春日高男もリアルです。

そして、その日のテストが返ってくる授業で物語がついに動き始めます。
その前に山田とリアルコントを繰り広げる春日高男です。山田の尖った口w

優等生の佐伯さんとまたもや目が合う勘違いイベントもまたもや発生。

そんな中、春日高男の後ろの席のもう一人のヒロインの仲村さんが先生をクソムシ呼ばわりするクソムシ事件が発生。
仲村さんがこれまたヒロインとは思えぬフツーにもさい人なんですけど大丈夫?w

そのクソムシ呼ばわりされた先生がブチ切れるのですが、睨み返す仲村さんがええ演技をしています。
果たして、そんな仲村さんと春日高男にどんな物語が待っているのか。

春日高男は戻ってきた仲村さんにマジビビリです。

帰り道もその話題でもちきりです。目がイッてる山田がうぜーw

佐伯さん狙いだったことが判明のもう一人も友人もキメーことになっています。眉毛繋がってるw

そして、最後に教室に戻った春日高男が佐伯さんの私物を見つけたところで、ついに惡の華が咲こうとします。

そこで「華が、華が咲いたよ・・・」と流れだすEDテーマが怖すぎるんですけどw
というわけで、春日高男が見つけた佐伯さんの私物に悪さをしそうな流れで次回に続く本作です。

EDがこれまたぶっ飛んでいるわけで、「華が、華が、華が咲いたよ・・・」と繰り返す歌がトラウマになりそうですw
そんな始まりから終わりまで見所満載で面白いフィルムになっている「惡の華」第1話でした。
これをアニメと捉えるか実写と捉えるか難しいところがあるかと思いますが、非常に興味深い作品となっているかと思います。
ちなみに、次週からは「超電磁砲」をレビューする予定なので本作のレビューはこれがおそらく最後になると思われます。
アニメとしてのレビューではこれくらいで十分では?これからは実写感覚で映像作品として楽しんで行きたいと思います。

©押見修造・講談社/「惡の華」製作委員会

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